インタビュー : 小林新『第一回公演を終えて。』

日時:2018.12.23

取材・編集・撮影:山口大地

小林新、山口大地

2017年9月にONOONO第一回公演を開催し、新しい試みを始めた小林新。そんな彼に今回は「第一回公演を終えて」という題でこれまでの経緯やこれからについて話を聞いて見る。

小さい頃から、格好つけることが好きで目立ちたがりでした。

小林新

--まずは、軽く生い立ちを聞かせてください。

小林新三重県で生まれました。その後は、広島、群馬と転々として、6、7歳くらいに東京に出てきました。上京したんです(笑)。小学生から野球とサッカーをしてました。野球では、1番ショート小林、サッカーではキーパーをしていました。

小学校のお遊戯会で「小さなオキクルミ」というアイヌの舞台をやった時、ただ一人悪役に名乗り出ました。みんな主役を狙ってたから、僕以外誰もいなかったんですよ。でも「絶対悪役のがかっこいいし、目立てる。」って確信してたんです。バットマンもジョーカーの方がかっこいいじゃないですか。で、案の定バスケットコートの上にある柵から出てくる演出もらって僕だけスポットライトを浴びたんです(笑)抜群に目立てて大満足ですよ。登場のセリフですか?「はっはっはっはっ!よくやったなオキクルミ!」です。

昔から目立ちたがりなんですけど、その方法は結構トリッキーなものが多かったですね。野球の守備では背面キャッチでゴロをさばいたり、グラブトスとか、やたらくるくるターンしてゲッツーを取ってました。剣道では小手ばっかり狙ってましたね。「隠し剣鬼の爪」ですね。あ、見てないですか。そうですか。

ステップアップとか、ハイスクールミュージカルとかDVDをみんなで見て真似をしてやってた。

--たしかにトリッキーな事好きだよね。ダンスを始めたきっかけってなんですか?

小林新ダンスを始めたきっかけは、高校2年の文化祭です。ダンス部はなく、そもそも学校にダンスやっている人も習っている人もいなかったんです。だから友達集めてツタヤでStepUp2とか、ハイスクールミュージカルとかのDVDを借りてきて、教室でみんなで研究してました。

ダンスに出会ったのは中学一年生なんです。「ヤングアメリカンズ」っていうアメリカでブロードウェイを目指すダンサーや歌手の人たちによる3日間のワークショップがありました。当時は第一回目だったから参加者が誰もいなくて、父親の元同僚の方が主催してたこともあって我が家に声がかかり兄妹3人が強制的に参加させられました(笑)。嫌々参加して、何一つ踊れなくて悔しくて泣きそうだったのを覚えてます。でもステージに立ってスポットライトを浴びて、お客さんから拍手もらった瞬間全部吹き飛んだんですよね。それが本当のきっかけかもしれない。

目の前の人を楽しませることがすごく好きで、ゲラゲラ笑ってるのが見たい。

小林新

--目立ちたがり屋気質がダンスにすごく合ったんだね。そしたら本題に入るけど、なんでONOONOを作ったんですか?

小林新憧れからですね。僕の憧れている表現者の方たちが仲間を集めて舞台を作っているんです。そういう舞台を見て、ステージに立つ人たちが本当にかっこよくて、僕もやりたいと思って作りました。

実際はなんとなく声かけて、なんとなくやらない?って感じだった。

--今回誘ったメンバー3人の経緯とかってどうだったのかな?

小林新まず最初にヨッシーさんを誘いました。ダンスの舞台をやりたいなと思っていたら、ちょうど目の前にヨッシーさんがいたんです。で、あ、そういえばヨッシーさん演劇とか舞台芸術に興味がある人じゃんって気がついて声かけました(笑)。本当になんとなく誘いました。こういうひょんな事から歴史は始まるんですよね。きっと。で、君と3人で何ができるかなーと最初考えていたんだよ(笑)。(実はこの時は山口も参加予定だった。)

次に誘ったのはそうき。想定してたことをやるには、人を増やしたいなーと思った時に真っ先に浮かんだのが、そうきです。たまたま彼の主宰する舞台公演(13月の風物詩)の話をもらっていたこともあり、彼が舞台芸術に興味がある人だってことを知りました。それから二人でよく森山未來さんとかの舞台を観に行きました。で、観終わった後に「こういうの作ってみたいよねぇー!だよねー!」って密かに彼を誘ってました(笑)。

--ばっちりメンバーが決まって、意気込んでた感じかな?

最初はできたらいいな、ぐらいの気持ちでした、すいません(笑)。下見気分でお伺いしたANAGRAというギャラリーに「貸してもらえませんか」と相談したところすぐにOKをいただき、「あ、できるんだ、、、」ってなりました。で、山口君が仕事の都合で出れなくなります。誰かいないかなと思っていた時に一番最初に声をかけるのはやめておこうと決めていたリチャード(伊勢昌太郎)に声をかけました。彼は会社員やってて、どちらかというと自分で踊ることが好きなタイプだから舞台には興味を持ってもらえないと思ってたんです。恐る恐る「出てもらえませんか?」って聞いたら、「まぁスケジュール的にはいける」という返答でした。出れるってことですよね、これ(笑)。個人的には彼が一番いい表情で舞台に立ってたのが感慨深いです。実は舞台好きだったんですよ、彼。

出演者はみんな波長が合うんです。性格とか趣味、服装もバラバラですけど、ダンスをしているときの感覚が合うんです。不思議ですよね。

本番前に階段でしゃがみこんでみんなで待機してた時のドキドキは今でも覚えてます。

--実際にやって見てどうでしたか?

小林新楽しかったです。あとめちゃくちゃ緊張しました。本番前に階段でしゃがみこんでみんなで待機してた時のドキドキは今でも覚えてます。全員なんとも言えない表情してましたよ。今度あれをネタに作品が作れそうです(笑)。個人的には一人芝居にもう一回挑戦したいって思いました。いや、もう一回と言わずにずっと挑戦していきたいです。そう思えた公演です。

--今回の公演を通して、メンバーに対してどう感じましたか?

小林新そうですね。ヨッシーさんは常に期待以上のものを出してくれました。稽古の時から好きにやってくださいとしか言ってません(笑)。自由に羽ばたいてくださったので僕たちも安心して自分たちを表現できたと思います。心強すぎるメンバーです。ヨッシーさんのファンになりましたってアンケートに書いてくださった方もたくさんいましたよ!

そうきは、もともとダンスが抜群にうまいんですけど、そうじゃない部分を引き出そうと思いました。駅員の格好をさせたりとか顔の表情で少しお芝居をしてもらったりとか、終演後の彼の表情見てたら「あ、もっとやっていいんだ」って気がつきました。次回作はそうきがセリフを喋るかもしれないですね。いや、喋らせましょう。

リチャード君はもう一番変化が激しかったですね。あんな表情するんだって思わず僕も嬉しくなっちゃうほど舞台で弾けてくれたんです。お客さんも彼の表情が良かったと…大評判です。いつも結構クールを装うことが多いんですけど、実はとても熱い奴なんです。次回作は彼の一人芝居を入れましょう。

--今回の作品で思い入れのある作品はどれですか?

小林新エンディングですね。アンケートを元にみんなで意見出しながら千秋楽まで何度も作り直したんで思い入れは相当あります。あとは踊っている時に「ANAGRA」という空間と一番近くにいることを意識できたからです。ANAGRAの壁って面白くて、アーティストの方達が壁にそのまま穴開けて絵を掛けるんで、ボルトの穴がたくさんあるんです。あと、直接壁に絵を描いてる時もあります。その時は展示が終わるたびに白いペンキを上から重ねてるんです。横から見るとわかるんですけど、厚みとか穴ぼこの跡がすごい。あのエンディングは、どんな穴も作品も真っ白に塗りつぶしてまた次に行くっていうハードロックな空間に雰囲気がバッチリあっていたと思います。

常にみんながONOONOに帰ってこれるようにがんばりたい。

--次の第2回公演(5/19,20)が予定されてますが、今後のONOONOの目標とかありますか?

小林新小林新まずは今年の春と秋に二つ公演をやります。3年後には全国ツアーとニューヨーク、パリでの公演が目標です。あとは、仲間たちと何歳になっても公演を続けて行くことが目標ですね。95歳になってもみんなと舞台に立ち続けます。ヨッシーさんは100歳ですね。

--最後にみなさんにメッセージをどうぞ。

小林新僕たちはこれからもダンスを通じて、もっとたくさんの人に楽しんでいただける舞台作品を作ります!ご期待ください!それでは、また、劇場で会いましょう!